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第5話 働く若人

Author: satomi
last update Huling Na-update: 2025-05-08 14:17:20

 商店の見た目は清潔感が大事だよなぁ。

 今の技術だと平屋が精いっぱいかな?俺の目が届く範囲もそのくらいか。

 内装も清潔感重要。

 バックヤードと完全分離。お客様は立ち入り禁止。

 入り口もお客様用と業者・関係者用と二つ作る。

 など、頭の中で考えてた商店の感じがそのままドーンと俺の土地に再現された。

 サイフロ帝国では魔法が使える人は使えるらしく、俺の頭の中のプランをそのまま具現化してくれた。

最初は模型で再現してくれたが、俺がOKサインを出すと、俺の土地にドーンと再現されたのだ。

 魔法ってすごいな。

 その魔法使いは見た目がお年寄りだけど、魔法で見た目を変えているらしく、本当は17才らしい。思いっきり詐欺だと思う。年齢詐称がすぎる。

 名前をジャックというらしい。

 うん、使える人材だなぁ。よく働く人にはそれだけの報酬を与える。当然のこと。

 俺が貯めこんだお金はそこで飛んでいく事になった。家賃は残ってるけど。地味にこの商店の2階とかで生活したい!

 そう思っていた俺の気持ちを汲んでくれていたんだろうか?商店のバックヤードには2階への階段が…‼それは俺にしか見えないし、他の人はすり抜けるらしい。つまり、俺だけその階段でスネを打つとか、そういう事になるわけだ。

 家賃を払わなくてもよくなったので、さらにお金の問題が減った。

 商店としては、商品の買い入れが重要になる。

 生鮮野菜・鮮魚・肉に加え、生活雑貨がこの店の商品かな?

 うーん、宣伝とかも必要だなぁ。

 俺にひけ目を感じている事だろうジングー王国国王夫妻と宰相に商品の伝手と宣伝を頼もう。

そうだなぁ、店の名前は『オールソー』で、いーや。

 開店当日、大盛況です。俺一人では客をさばききれないので、急遽ジングー王国カッター公爵家より侍女を数名出張していただきました。

 以前俺が勤めていた商店から『うちの店のパクリだ。』とか言われたけど、俺の改革によって売り上げを伸ばしたのにも関わらず、俺の給料に反映させなかった自業自得みたいなもんだと俺は思ってる。

 それに、改革はまだ途中だったんだよね。それを完全にしたのがこの店だから関係ないじゃん。

 その後、2号店・3号店と増やしていきました。

雇用もサイフロ帝国内の人を雇用しているので、皇帝からお咎めとかは何もなし!

 
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